いま手元に『最速でおしゃれに見せる方法』という本があります。
「はじめに」を読んでいると、もしかしたら私がファッションについて試行錯誤してきたことと似ているかも、と思いました。本書を読み始めて影響を受けてしまう前に、自分自身の記録を簡単に残しておこうと思って書きました。
ユニクロと無印良品だけでおしゃれに見せることは可能です。
おしゃれに見せる方法
ファッションセンスが全くない人のための指南です。たぶんメンズ向け。
とにかくファッションセンスが育っていない間は、かっこいい・ダサいの区別がつかないので自分を信じると失敗します。かっこいいと思った派手な服は大体ダサく、さらに合わせにくいのでタンスの肥やしになることが多いです(経験談)。
おしゃれになりたいのなら、騙されたと思って基本の法則を徹底すること。そのうちにファッションセンスが育つと、以下で禁止している服のほとんどをおしゃれに着こなせるようになるので安心してください。
目指すおしゃれ
- ダサくない。無難。あわよくばおしゃれに見える。
- 「おしゃれしてます!」感がなく、自然でこなれている。
基本の法則
- 服の色はモノクロ、濃紺、茶のみ。真っ黒の服は選ばない。黒に近い濃いグレーはOK。
- 靴や鞄、時計といったグッズは真っ黒でも可。むしろ黒のほうがどの服にも合わせやすい。
- コーディネートに3つより多くの色を使わない。また全身を1色(全身茶色など)にしないこと。
- 基本は無地。ドットやボーダー、ストライプ、チェック、総柄などの柄物は選ばない。英字、和柄、写真(フォトTなど)、企業などのどでかいロゴも避ける。
- フードがついているものは選ばない。パーカ禁止。
- 服の素材は合皮、シルク、フランネル、コーデュロイは扱いにくいので禁止。
- 定番のアイテムで、とにかくベーシックなデザインのものを選ぶ。フェイクレイヤードやダメージ加工、スタッズ、切り替えなどのデザイン性がある服は選ばない。
- ネックレスやブレスレット、指輪などのアクセサリーは一切つけない。帽子やストールなども最初のうちは避ける。時計は手軽に物足りなさを解消できるアイテムであり、半袖のときは積極的に付けましょう。
- 服のサイズ感を覚える*1。サイズはすべてタイト~ジャストの間にし、ゆるめの服は着ない。
- 靴や鞄はいいものを買うとそれだけでおしゃれ感が出る。
- 服や靴を買うときは必ず試着する。通販厳禁。合わせたい服を着ていき、合うかどうか確認する。
- トップスはボトムスより薄い色のほうが無難で合わせやすいため、ボトムスは手持ちが少ない時は濃い色のものを買う。
- (+α)体を鍛える。筋肉は最高のファッションアイテム。
※ここで禁止しているアイテムはダサいという理由からではなく、初心者にはおしゃれに着こなすことが難しいので避けたほうが無難だという理由からです。
具体的に何を買えばいいか
ユニクロでいいです。
ただしアウターだけは他人と被りまくってしまうので、無印良品など別のところで買えるといいですね。
服を買う順番は靴→ボトムス→トップスです。すべてのボトムスは手持ちの靴と合うものを、トップスはなるべく多くの手持ちのボトムスと合うものを買いましょう。
- アウター:アウトドアブランドの街でも着られる服や、無印良品がおすすめ。マウンテンパーカ、ダウンなど。
- トップス:無地のTシャツ。半袖か長袖。色はモノクロ。クルーネックか浅めのVネック。
- トップス:無地の長袖シャツ。色は白、濃いグレーなど。
- トップス:ウール素材のハイゲージ(編み目が細かい)Vネックカーディガン、Vネックセーター。色は基本の法則通りに。
- ボトムス:色落ちやダメージ加工がされていないジーンズ。色は濃紺。
- ボトムス:綿パン(チノパンも可)。色は紺。
- 靴:アウトソールとミッドソールが白で、他が黒のローテクスニーカー(例:VANSのERAやスリッポンなど)
- 靴:茶~濃茶、黒色の革靴(例:ビルケンシュトックのモンタナなど)
- 鞄:容量20Lくらいで、前ポケットがないか一つだけのシンプルなリュックは何にでも合わせやすくて無難。色は黒。(例:ポーターのデイパックなど)
- 鞄:無地のメッセンジャーバッグもいい。色は黒。(例:マンハッタンポーテージのMP1605JR)
- 靴下:くるぶし丈のもの。色は黒~灰色。
- ベルト:革製。色は黒か茶。なくてもいい。
- 財布:合皮や、開閉部分がマジックテープ(ベルクロ)のものはやめよう。
- 時計:高価である必要はないが、安っぽいものは避ける。デジタルでもアナログでもいい。
他にすること
ほとんどは当たり前のことですが…
- 定期的に美容院で髪を切る
- 着た服は洗濯する。シャツにはアイロンをかける。
- 靴は汚れすぎたら洗う
- 清潔感が大事。お風呂に入る。歯を磨く。定期的に爪を切る。化粧水などは不要です。
ファッションのお勉強が独学だった
情報収集は2chで
ファッションセンスが皆無だった頃、ひたすら2chのファッション板スレッドを読んで、みんなが言っている共通項を探しました。
これは! と思った文章はメモ帳にコピペして蓄積していき、それを印刷して何度も読み込みました。一部を削除したり、新たな情報を加えたりとアップデートもしていきました。かなりの時間をこの情報収集に使っていたと思います。
いろんなスレッドを読んでいたと思うけれど、覚えているのは「初心者」「脱オタ」「晒すスレ」「無地T」「ユニクロスレ」みたいなスレッド。
自分のコーディネート写真をアップして見てもらう(=晒す)スレッドに投稿したこともあります。
脱オタクファッション系のブログ記事、サイト
実際にオタクをやめることだけではなく、ダサいオタクのようなファッションから抜け出すことを「脱オタク」「脱オタ」と呼んでいました。
ちなみに中高生時代の私の愛読書だった『脱オタクファッションガイド』はファッションセンス皆無レベルからのとっかかりにはいいですが、今思うとあまり参考になっていませんでした。今は「簡単におしゃれに見せる方法」みたいな記事がネットにたくさん転がっているので、わざわざ本書を読む必要はないと思います。むしろなんにもわからに状態では本書を盲信してしまう可能性があり危険かも。
ネット上の脱オタクファッションについて書かれたサイトや記事には大変お世話になりました。
当時はあまり数がなく片手で数えられるくらいだったような気がしますが、本当にありがたかったです。
ファッション雑誌
メンズファッション誌を読んでいました。
覚えている限りでは、FINEBOYS、MEN'S NON-NO、Men's JOKER、POPEYE、Begin、2nd、Samurai ELO、smart、MEN'S EGG、MEN'S KNUCKLE、カジカジ、men's FUDGEなど。
初心者向けっぽい『FINEBOYS』『smart』と、一時期は熱心に『MEN'S EGG』をよく読んでいました。
たくさん買いましたが、いま思うとファッション雑誌もあまり役には立ちませんでした。基本の法則を実践してファッションセンスが多少つけば、道行く人のファッションを見るほうが参考になります。いま一つだけ読むとしたら『men's FUDGE』ですね。men's FUDGEのシンプルな着こなしは好きです。
ファッションではありませんがヘアカタログの雑誌はとても役に立ちました。
膨大な数のヘアスタイルを発見できただけでなく、スタイリングの方法、スタイリング剤の選び方に使い方、くせ毛の種類(Cカールやウェーブなど)、ヘアアイロンの使い方などを学びました。
それでもやはり基本は2chから集めた情報でしたね。
私のファッション遍歴
ファッション? なにそれ? 時代
小学生。服はジャスコで買ってもらう
服はジャスコに入っているお店で買ってもらっていました。
気がついたら自分で着たい服を選ぶようになっていましたが、ファッションセンスがないのにこだわりはあるものだから時間がかかって大変でした。だからか服を買うのはキライでした。
服を買ってもらうくらいならゲームソフトが欲しかったので、服はあまり持っていませんでしたし、買ってほしいとねだることもありませんでした。
いま考えると決しておしゃれではありませんでしたが、悪い意味で小学生らしいフツーの服装でした。バッドボーイのTシャツを着て、七分丈のカーゴパンツを履いていた記憶があります。ピコはダサいと思っていました。どっちも変わらん。
- 服を買っていた店:ジャスコや百貨店など
- ジャンル:小学生ファッション
中学生。きょうだいに選んでもらう
小学校高学年くらいから急に自分のファッションセンスに自信がなくなり、自分で服を選べなくなりました。上のきょうだいに選んでもらって安心するようになります。
中学2年生くらいから2chでのファッションの勉強を始めましたが、当初は基本の法則を無視して原色や蛍光色の服を好んでいました。服単体のかっこよさに惹かれてしまって他の服と合わせづらく、すぐに着なくなる服ばかり買ってしまって失敗ばかり。
この頃もきょうだいに選んでもらったり、自分が選んだ服を見てもらったりしていました。両親にたくさん服を買ってもらいましたが、ファッションセンスはあまり磨かれませんでした。
守破離の「守」の大切さをあとで思い知ります。この頃は無知ゆえに「破」以降に行きたがり、それで問題ないと思っていました。服に着られてとてもダサかったです。外出が億劫でした。
- 服を買っていた店:METHOD、ライトオンなど
- ジャンル:スポーツMIX、ストリート系など
高校生。諦めてジャージ族に
ジャージのラクさを覚えてしまいました。
スポーツをやっていたのでジャージで出かけても全く違和感はありません。ジャージで外出してよかったんだ。こんなことならもっと早くジャージに出会いたかった。
明らかにジャージらしいジャージはかっこ悪いと思っていたので、部屋着や運動用です! という感じのしないものを選んでいました。例えば目立つブランドロゴが入っていなかったり、色が派手でなかったり、サイドにラインが入っていなかったりするもの。
全身ジャージもダサいと思っていたので、ボトムスはプロスポーツ選手がウォーミングアップのときに履くようなスウェットを履いていました。
ジャージ族になってからは動きやすいというだけでなく、ファッションに自信が持てたこともあり外出頻度が増えました。
このあいだにも脱オタファッションの情報収集は続けていました。
たまに着ていた私服はカジュアル寄りのお兄系。夏はグラニフのTシャツに、変なデザインのデニムのハーフパンツを履いていました。中学時代よりはマシになりましたが、まだまだダサいです。
- 服を買っていた店:スポーツブランド店、METHOD、ライトオンなど
- ジャンル:スポーツ、アウトドア、カジュアル寄りのお兄系(私服)
大学生。海外セレブファッションと出会う
さすがに大学へジャージで行くわけにはいかないと思ったので、大学生になってからはジャージ系とは別に私服を着る機会が増えました。(どうでもよくなってからはジャージで通うことが増えましたが)。
ここでも試行錯誤したあと、海外セレブファッションというジャンルに出会います。海外セレブファッションを分析すると、基本の法則をおしゃれに実践したようなものだと分かったのです。
海外セレブファッションを真似するようになってから、「おしゃれだね」とよく言われるようになりました。着ていた服はアメアパのVネックTシャツにアメアパのパーカ、Leeのジーンズなど。靴は覚えていません。
これまで行っていた美容院とはカットの値段が倍くらいある、おしゃれな美容院にも通うようになり、パーマや縮毛矯正にもチャレンジしました。
- 服を買っていた店(前半):ユニクロ、グローバルワーク
- 服を買っていた店(後半):ユニクロ、アメリカンアパレル、アメリカンショップ(輸入ものの店)、Lee
- ジャンル:アメカジ→海外セレブ風ファッション
その後。低コストで海外セレブファッション
もう十分だと思える知識と経験がついたので、ファッションについて勉強するのをやめました。
無地でシックな色のシャツ、Tシャツ、ハーフパンツ、ジーンズなどを着るようになりました。海外セレブファッションをユニクロや無印良品の服だけを使って実践。
同じような服ばかり着ていましたが、選ぶのも金銭的にも本当に楽でしたね。必要最低限のコストで高いパフォーマンスを出せていたと思います。
大学生時代に買ったアメリカンアパレルのVネックTシャツはここでも愛用していました。
- 服を買っていた店:ユニクロ、無印良品
- ジャンル:キレカジ、カジュアル
現在。機能性重視に
機能性重視。持ち物を一つの鞄におさめて旅できるよう、服はかなり少なめです。
その日に着る服を選ぶのが面倒なので、どれと合わせてもしっくりくるような服を買っています。悩む時間を減らすため、靴下は同じ型と色のものを数セット、服も気に入った同じ型の色違いを数枚、といった感じで所有しています。
基本の法則は無視する部分も増えてきました。着ていて精神的・身体的にラクで、動きやすく軽量で耐久性がある服しか着ません。
基本はTシャツにハーフパンツ(+ロングタイツ)。靴はサンダル。
寒くなってきたらクライミングパンツ(長ズボン)にチェンジし、上はフリースやナイロンパーカ、ダウンを着込みます。靴はランニングシューズ。
無難なファッションではありません。万人が「おしゃれだ」と思ってくれるわけではないでしょう。
服装のダサい自分がイヤだっただけで、元々ファッション自体には興味がありませんでしたから、ここ(機能性)にたどり着いたのはいま思うと当然の結果ですね。
ある程度のダサくないファッションを知った上で、守破離の「破」以降へ。ファッションセンス皆無時代とは違い、ある程度の自信を持って服を選んで買い、着ることができています。
やはりファッションに基本は大切、急がば回れなのでした。
- 服を買っている店:アウトドアブランド
- ジャンル:アウトドア
追記:書籍『最速でおしゃれに見せる方法』
この記事を書いたあとに『最速でおしゃれに見せる方法』を読みました。
私の努力は正しかったのだ、と思える内容でした。
以下の記事では本書の大原則と私の"基本の法則"との違いにも触れています。おしゃれへの理解が深まると思うので、ぜひ合わせて読んでみてください。
*1:これが一番難しいと思いますが、説明を省略します。着丈や身幅、アームホール、肩の線、裾の長さとか…私も失敗しながら試行錯誤しました。